あたりまえのように流れる時間
音はないようで
微かな音に耳は敏感になる
なにかが死んで
なにかが産まれて
それだけは変わらないこと。
子どもたちと摘んだ
赤薔薇の花弁を1枚1枚、水に浸す
火を起こして 聖火台に火を灯す
ランナーは走る
聖火灯台の下では選手が戯れる
まわりは審判員
山からは観察人
準備体操
幅跳び
円盤投げ
槍投げ
レスリング
リレー
スタート バトンを繋ぐ 縁を周る ゴール
聖火台にたどり着く
浸しておいた赤薔薇の花びらで
静かに鎮火する
全員の頭には月桂樹の冠を
香りをいっぱい吸いこんで
そして 歌う
すべての行いには希いがある
ひとつの生命の希いは、
きっとそうだったと思うから だなんて
はかりしれないけれど
すべては意味があり同時に動いていて
ちゃんとその音を感じれていたい
絶望より希望を選びつづけてこられた
大切な人たちの笑顔のために希われたバトン
最初で最期の遺された絵は証明に、想う
2020.09.22 秋分の日
Comments